風化の進んだ大谷石の外柵を御影石の外柵に作り替え。渋谷区寺院墓地にて

東京都一円にて、お墓づくりをはじめ、お墓の様々なご要望にご対応しております、一銀（かずぎん）石材の稲田圭二郎と申します。渋谷区のお寺様墓地にて、植木にお困りだったお墓の大谷石の外柵を、御影石の外柵に作り直す工事をさせていただきました。

渋谷区寺院外柵直し石種：カンボジア産OW-1

いつもお世話になっているお寺様で、お墓のことでお困りのお客様からご相談いただきました。まずは早速お墓の状況を確認させていただきました。

ご相談いただいたお墓です。お墓は和型の石塔で大谷石の外柵なのですが、左右に植えられた植木が大きくなり、雑草もたくさん生えて、さらに笹もいたるところに生えています。お客様は「植木を取り除いて笹が生えないようにしてほしい」とご希望でしたが、ご一緒に確認してみると、大谷石の外柵は開いて割れてしまっているところもありました。大谷石自体も風化が進んでいたので、「それなら外柵だけ新しく作り直そうか」ということになり、リフォームをご依頼いただきました。

工事の様子です。まずは植木をある程度の大きさまで切ってから、もともとの大谷石の外柵を取り外しました。その後、木枠を組んで新しい外柵の基礎を打ったところです。石塔とカロートは動かさずにそのままにしたいとのことでしたので、残したままで工事を行いました。

しばらく養生して基礎コンクリートが固まったら、新しい外柵を据えていきます。今回は御影石製の外柵になります。

外柵の石の据え付けが終わり、目地打ちまで完了しました。

角の部分はL字の金具を使って、擦れたり開いたりしないように補強しています。

全体に石貼りをして完成です。丈夫で雑草も生えず、見た目もとてもきれいな外柵になりました。使用した石は、カンボジア産のOW-1という白御影石です。

石貼り部分はフラットに見えますが、表面に水が溜まらないように外側に向かって少しだけ勾配をつけています。雑草が生えないだけでなく、ごみや落ち葉もほうきで掃くことができて、泥汚れなども水を流せばサッとお掃除ができますのでお手入れが楽です。

お墓の後ろには塔婆立も新しくお作りしました。こちらも同じ御影石製です。大谷石の外柵は、昔のお墓にはよく見られました。大谷石は凝灰岩なので御影石に比べると耐久性が低く、屋内や地下などでの使用なら長くもちますが、屋外であればだいたい30年くらいから風化が始まるとされています。最近は以前よりも少なくなりましたが、「大谷石の外柵を直してほしい」というご相談は今も時々いただきます。