初台出世稲荷大明神の石のお社とお狐様のお引越し。渋谷区初台から代々木八幡宮へ
東京都一円にて、お墓づくりをはじめ、お墓の様々なご要望にご対応しております、一銀(かずぎん)石材の稲田圭二郎と申します。渋谷区初台から代々木八幡宮へ、初台出世稲荷大明神の石のお社とお狐様のお引越しをお任せいただきましたので、ご紹介いたします。
初台出世稲荷大明神(渋谷区初台)から代々木八幡宮(渋谷区代々木)へ、石のお社とお狐様の移設
渋谷区初台は、私が石屋の修行時代を過ごした場所です。そうしたご縁で知り合いの方も多く、今回は町内会様からご相談をいただきました。ご事情で移転が必要になり、同じ渋谷区の代々木八幡宮へお社をお引越しされることになったそうです。
こちらが今回お引越しされる初台出世稲荷大明神です。以前、お狐様(狐像)を製作するお手伝いもさせていただだいたことがあります。代々木八幡宮から宮司様にお越しいただいて、魂抜きの儀式をしていただく日を迎えました。
社殿の奥にこのような石のお社が祀られていました。たくさんのものが供えられています。
魂抜きの儀式のようすです。真ん中に見えているお狐様と、鳥居の脇にある灯篭もお社と一緒に移設します。
儀式が続いています。住宅街の中の小さなお稲荷様ですが、長い間地元の方々に大切にされてきた神社です。見に来られている近隣の方もおられました。
儀式が終わり、お社のお引越し作業に入りました。まずは、屋根の部分を取り外しています。通常は三脚などを使って石を吊り上げて解体しますが、社殿の中にあるので三脚も使えません。歩み板の上を滑らせて外まで運び、そこから吊り上げていくことにしました。お社は、とても丁寧に作られていました。安山岩で作られていましたが、見たところ小松石でもなく江持石でもなく、専門の私どもでも判断が難しかったです。
こちらは移設先となった代々木八幡宮の一角です。根切りをして基礎工事を行っています。
砕石をいれて転圧をかけ、地盤を固めています。
木枠の中に鉄筋を組み、コンクリートを流し込む準備が整いました。
コンクリートを打って表面をきれいにならし、しばらく養生します。しっかり固まるまで養生期間を置いたら基礎が完成です。その後、完成した基礎の上にお社を据えて、手前に灯篭を設置、移設してきたお狐様をお社の脇に配置して、工事完了です。
工事が完了しました。お社の手前には敷石も設置しました。以前当店でお作りしたお狐様も、代々木八幡宮にもともとあったお稲荷様のところに移設させていただきました。
灯籠もとても古いものでした。無事にお引越しが完了し、ご依頼いただいた町内会の方々にも大変喜んでいただきました。距離としては歩いて20分くらいのお引越しですので、これからもこれまで同様、大切にお参りいただければと思います。大切なお稲荷様のお引越しを当店にお声かけいただきまして、ありがとうございました。
当店では、墓石や外柵、その他の石製品等の伝統的な技術を駆使した手加工も行っており、神社・仏閣の石像品に関するご相談をいただくことも多いです。そうしたお仕事では、今回のように歴史あるものの節目に立ち会うことができます。昔の職人さんの仕事ぶりを間近で見る貴重な機会になり、勉強させていただくことも多いです。携われるご縁に感謝し、誇りに感じながら、これからも当店でお役に立てることならぜひお手伝いさせていただきたいと思っています。