新宿区寺院墓地にて、お父様のお名前を彫刻した、やさと御影の和型墓石を建立
東京都一円にて、お墓づくりをはじめ、お墓の様々なご要望にご対応しております、一銀(かずぎん)石材の稲田圭二郎と申します。新宿区寺院墓地にて、お父様のお名前を彫刻した、やさと御影の和型墓石を建立させていただきました。
新宿区寺院墓地 石塔:茨城県産やさと御影 外柵:中国産
以前ブログでお話ししたことがありましたが、私は特に中世に関西地方で作られた古代型五輪塔がとても好きで、仲の良いお寺のご住職と一緒に奈良や京都、滋賀などへ五輪塔を見に行ったこともあります。以前は見に行って、「ほんまにカッコいいな!」と感心するばかりだったのですが、「昔の人にできるなら、同じ人間なんだからできるはず!」と自分でも作り始めました。それからは、間近でノミぎりのあとを見てみたり、形を研究したり、勉強を兼ねて見に行っています。
今回お墓を建立させていただいたのは、そのご住職様のお寺様です。奥様のお父様がお亡くなりになって、お寺の墓地内にお墓を建てることにされたそうで、仲良くさせていただいているご縁でお話をいただきました。
五輪塔はもちろん、和型、洋型のお墓も図面を作成して、ご提案した中から、今回は伝統的な和型墓石をお選びいただきました。コンパクトな敷地ですが、手前にはお参りスペースもあります。
丘カロートの上の石塔は、茨城県産やさと御影でお作りしました。やさと御影は、私のとても大好きな石のひとつです。色々な石をご提案した中で、お施主様からは「一銀さんがいいと思う石でお願いしたい」とおっしゃっていただけたので、品質や費用面などから考慮してやさと御影をご提案しました。やさと御影は青味のある上品な色合いで、中目のはっきりした石目が特徴です。目の細かい方が好まれる傾向もありますが、以前丸玉の加工をノミ切り仕上げでしたことがあり、実際に叩いてみた時の印象や、磨いた時の目のくっきりした雰囲気もとてもきれいで、好きな点です。
水鉢前面は家紋を彫刻することが多いですが、今回はお客様のご希望で、拝み枠の中にお父様のお名前を彫刻しています。お父様が亡くなられてから奥様はとても落ち込まれて、お墓を建ててお骨を納めることもためらっておられました。お墓作りを進める中で「ここに名前を彫ったらおかしいかな?」とお尋ねがあり、仏教的にも問題ないとのことでしたので、ぜひそうされることをお勧めして、ご希望を叶えました。香炉の高さも考えて位置を決め、きちんとお名前が見えるように彫っています。
間口に対して奥行きのある敷地でしたので、将来納骨を希望される数などを伺って、そこから逆算して納骨室の広さを計算し、 このような設計にしました。石塔の後方には、塔婆立ても設置しています。お参り部分は石貼りにして、バーナー仕上げで滑り止め加工をしました。
奥様は完成したお墓をひと目見たときに、「大きい!!」と思っていたより立派な仕上がりを喜んで下さっていました。このたびは、当店にお墓作りをお任せいただきまして、ありがとうございました。何かお困りのときは、またお気軽にお声かけください。
ご生前のお墓を建てるのとは違って、大切な方のためのお墓作りは、悲しみの中で進めることになります。お気持ちにできる限り寄り添っていいお墓を作り上げることで、お客様のお気持ちが少しでも楽になり、亡くなった方のご供養になれば何よりです。